電子計測器/レコーダとは
電子計測器の選定ポイント
計測器を選定する場合は、計測内容に合わせ入力対象、確度(精度)、サンプリング周期(周波数)とサンプリング時間を基本に選定を行ないますが、特定の計測用として選定することは少なく、入力対象が広い、計測トラブルに対する耐性があり信頼性が高い、精度に余裕がある、データがパソコン、Excelで扱えるなどの汎用性・拡張性を重視して選定されることが多くなっています。
入力対象
従来は、各入力(温度・電圧・ひずみなど)対象ごとに計測器を揃えていましたが、以下のような問題点がありました。このような問題点に対し、1台の基本(インターフェース)に計測ユニットを増設することで入力対象やチャンネル数に自在に対応できるマルチ入力タイプが開発されており便利にご利用いただけます。
複数の計測器を使うことの問題点
- 機器の使い方を覚える必要があり面倒
- 種類の異なる計測データファイルの管理が大変
- 多数の計測器を保管するスペースが必要
- 計測データ間の同期が困難
確度(精度)のみかた
「確度」とは計測器を用いる上で測定した値がどれだけ真の値に近いかを示すもので『入力した信号に対する誤差の限界値』と定義されます。以下に計測器の仕様表に用いられる精度表記の読み方を記します。
F.S.とrdg
確度(精度)を表記にFS:フルスケール(測定領域全範囲)とrdg:リーディング(読み取り値)の2種類の表現が用いられます。rdgで確度表記されている方が精度が高いことが一般的です。また、実際の確度として、シフト量を±**digit(**℃)と加算しているものが多くあります。
| 例) | 「±0.1% of FS」と「±0.1% of rdg」でレンジ±10Vの場合に「1V」を測定したときの確度(精度)の比較 |
- ±0.1% of FS
FS=±10V=20V 20V×0.1%=20mV
したがって±20mV - ±0.1% of rdg
rdg(読み取り値)=1V 1V×0.1%=1mV
したがって±1mV
基準接点補償確度
熱電対を使用した温度測定を行なう際に関わる精度のスペックです。熱電対は、2種類の金属の接合部(測温接点)の温度と計測器側接点(基準接点)の温度差から温度を測定します。そのため、基準接点の温度を測り、温度差Tに加算する方法が取られますが、このときの誤差が基準接点補償精確度です。
| 例) | 「K熱電対」「測定確度±0.05% of rdg ±0.6℃」「基準接点補償確度±0.7℃」の温度レコーダの、「表示値が100℃」の時の確度 |
これに基準接点補償確度±0.7℃を加算すると±1.35℃
したがって確度は±1.35℃
ゼロ点安定度とDC振幅確度
高速信号を扱うデジタルレコーダに一般的に用いられる確度表記です。総合精度は2つの合算になります。
- ゼロ点確度
入力短絡時の誤差 - DC振幅確度
ゼロ点確度が「0」としたときの、入力値に対する表示値の誤差
| 例) | 「ゼロ点確度±0.03% of F.S」「DC振幅確度:±0.1% of F.S.」 「表示分解能1mV」の計測器を「±10Vレンジ」で使用した場合の確度 |
したがって確度は±0.026V
平衡調整確度とゲイン確度
ひずみゲージを扱うデジタルレコーダに一般的に用いられる確度表記です。総合精度は2つの合算です。
- 平衡調整確度
オートバランス後の誤差 - ゲイン確度
平衡調整確度が「0」としたときの入力値に対する表示値の誤差
| 例) | 「平衡調整確度±0.1% of F.S.」「ゲイン確度±0.2% of F.S.」「表示分解能:0.05μST」の測定器を「±1000μST」レンジで使用した場合の確度 |
したがって確度は± 6μST
サンプリング周期と応答性の考え方
仕様上の応答周波数は、正弦波を入力時の振幅が-3dB(約70%)なので、真値より小さな計測値になります。(波形再現性を重視する場合は、測定波形周波数の10倍以上のサンプリング周期が必要です。)
周波数帯域





