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まるごとわかる 電子計測器/レコーダ

電子計測器/レコーダとは

電子計測器の最新技術

計測精度や使いやすさの向上のために、電子計測器に使用されている最新技術をご紹介します。

計測精度・安定性向上のための技術

デルタシグマA/D変換方式
デルタシグマA/D変換方式は、従来から一般的に使用されている方式(逐次変換方式やフラッシュ変換方式)よりも、高精度にA/D変換を行なうために開発された、オーバーサンプリングと積分を組み合わせたA/D変換方式です。入力信号の再現性や商用電源周波数のノイズカットに優れています。この機能は、温度計測のようなサンプリング周期が比較的ゆっくり(100msより遅い)した計測に有効です。
オーバーサンプリングについて

入力信号の周波数に比べて、高い周波数でサンプリング(A/D変換)を行なう事をオーバーサンプリングといいます。入力信号の再現性と分解能の向上が可能です。

「計測精度・安定性向上のための技術」の説明画像

分解能が0.1Vの回路に2.04Vを入力しても2.0Vか2.1Vなのか判別が付きません。これを、オーバーサンプリングで12回サンプリングし、平均すると2.041Vとなり、入力値と同値になります。
A/D積分について

ノイズの周波数は商用電源と同じ場合が多いため、一定時間の単純平均を行ないノイズの影響を低減する方式です。商用周波数と同じ積分時間(20ms:50Hz地域・16.7ms:60Hz地域)を設定して使用します。

「計測精度・安定性向上のための技術」の説明画像

設定を16.7msに設定した場合、60Hz×N倍のノイズに対してフィルター効果がはたらきます。
絶縁
チャンネル間や内部回路と入力を絶縁することで、入力部や電源から内部回路へノイズの侵入により発生する計測値の変動(バラつき、シフト)を防ぎ、計測値を安定させる技術です。
チャンネル間絶縁について

入力回路の各チャンネル間を高耐圧の半導体リレーで絶縁し、コモンモードノイズの影響を低減する技術です。前述のデルタΣA/D変換方式と併用すれば、コモンモードノイズとノーマルモードノイズの両方を遮断した、高精度な測定を実現できます。

「計測精度・安定性向上のための技術」の説明画像 また、入力回路の各チャンネル間絶縁がされていると各信号GNDに電位差があっても計測が可能です。
「計測精度・安定性向上のための技術」の説明画像 入力チャンネルのGNDの間が非絶縁の場合、各信号元のGND間に電位差があると(図参照)GND間に電流が流れ、計測できません。
熱分布均一化構造
温度計測を行なう場合、入力端子台のチャンネル間温度バラつきが誤差の要因になります。このため、熱分布を均一化させる構造を取り入れたり、アクティブに加温制御を行なってバラつきを抑える技術です。精度を約2倍向上させる効果があります。
「計測精度・安定性向上のための技術」の説明画像 キーエンスGRシリーズ、NR500/600シリーズは、入力チャンネルの熱分布を均一にするための特殊樹脂を内部に組み込んでいます。
「信頼性向上のための技術」の説明画像

信頼性向上のための技術

デュアルプロセッサ
CPUを2ヶ搭載し、データ取り込みとGUIやネットワークなどの処理を切り離して並列処理させることで計測を安定させる技術です。計測中にLAN通信や入出力制御など、CPU負荷の高い動作を行なっても、データ抜けやハングアップなどは起こりません。
Robustメモリ機構
  ※Robust=堅牢な・強固な
ファイル構造の工夫や、小型UPS回路の搭載により、計測データ保存の安全性を大幅に向上させる技術です。従来品に多い、破損したデータファイルをソフト上で修復する方式に比較して、コンパクトフラッシュメモリそのものの破損を防ぐことができ、データの安全性はさらに高まっています。
「信頼性向上のための技術」の説明画像
小型UPS回路について
電源の瞬断など、予期せぬ電源切断に対し、コンパクトフラッシュメモリへのデータ保存処理を安全に完了させるために搭載される非常用小型電源です。回路の小型化のために2次電池ではなく、大容量のコンデンサ(スーパーキャパシタ)を使用しています。
ミラーセーブ(データの二重化)について

計測器とパソコンを接続しデータ収集を行なう場合に、不意のハングアップに備え、パソコンのハードディスクと計測器本体内のコンパクトフラッシュメモリの両方にデータを保存する機能です。大切なデータを二重化し、安全性を高めます。

「信頼性向上のための技術」の説明画像
「操作性・利便性向上のための技術」の説明画像

操作性・利便性向上のための技術

ユニット式入力拡張システム
計測ユニットの増設により、入力対象・CH数の変化に対応できるようにした技術です。さらに、計測ユニットを直接つなげる構造を持つNR-500/600シリーズ(キーエンス製)は、ベースなどの筐体が不要で小型化に適しています。
PCリンク
計測したデータをパソコンで扱えるようにする技術です。従来のチャート紙で計測結果が出力されるものに変わり、PCリンクは記録計に必須となりつつありますが、近年は、単にメモリを介して計測データをPCへ受け渡しできるだけでなく、USBやLAN接続など、PC接続の利便性を高めたり、データ加工性を高めるために、一般的な表計算ソフト(Excelなど)へ直接データを書き込む工夫をしたものがあります。
PC接続について
  • USB接続
    接続をするまでの手間が非常に少なく、一般的な用途では最も使いやすい接続方法です。
  • LAN接続
    パソコン~計測器間のケーブル延長がしやすく(HUB間100m)、工場内での普及度が高い一般的な接続方法です。但し、使用にはシステム管理者へ申請やIPアドレス取得の準備が必要です。
Excelとの親和性について

キーエンスは2種類の方法で、簡単にデータをExcelへ取り込めるようにしました。

  • Excel転送:波形計測と同時にデータを変換しダイレクトにExcelワークシートへデータを書き込む方法。
  • CSV一括変換ユーティリティ:選択された計測データファイルをワンクリックでCSV変換します。(同時選択数は無制限に可能:Fileviewerの場合)

電子計測器/レコーダの代表例のご紹介
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